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悪役令嬢、恐怖で狂わないことを
どうにか演技を終えて戻ってきた。
エリーたちは少し速度を上げて森を出ることになる。
とはいえ、
「もう少し急げませんの!?」
「申し訳ありません!ここが森であることに変わりはありませんので……」
「むぅ。厄介ですわね」
「急いではいるのですが……」
森ヶ森。
兵士達が無理をすれば、全滅する可能性すらある。
そんな状況で、友人達の顔にも焦りの色が見えた。
「マズいね……」
「どうにかできれば良いんだけど……」
少しずつ。
少しずつ焦る感情と共に森の外へと近づいていく。
ーーー恐怖で狂ったりしないと良いんだけど……。




