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悪役令嬢、意識を手放した
カヤは一瞬で意識を手放した。
カヤの方が、咆哮を受けた距離が近かったから。
そして、エリーよりも圧倒的に弱かったから。
「それでも死ななかったのは幸運ですわね!」
「……」
「気絶してたら返事もできないですわね、っと!」
「ゴアアアアアアァァァァ!!!!!!!!!」
封印の解けた悪魔が叫ぶ。
だが、まだ余裕があった。
だから、
「さよならですわぁぁ!!!!」
「ゴアアアアアァァァァァァ!!!!!」
エリーは飛び去る。
カヤを抱えて。
それから、しばらくの逃亡劇が始まった。




