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悪役令嬢、機嫌が悪くて

嫌な予感はする。

それは、全員が抱えていた思い。


だが、


「聖女様。そんなに移動すると危なくてよ」


「ふんっ!」


「ちょっ!カヤ!駄目だよ!」


「……ふんつ!」


カヤは1人で歩いて行ってしまう。

イルデは制止するが、聞く様子はなかった。


護衛の面々も緊張の色を一層高めている。


「……;はぁ」


「ごめんねエリー」


イルデは申し訳なさそうに謝る。

エリーはそれに何も返さず、1人で離れていくカヤの背を追いかけた。


波乱の時は近い。

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