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悪役令嬢、隠すなんて言えない
カヤの求める髪飾り。
それはすでに、エリーが所持している。
勿論カヤはそのことに気付いていないが、
「うぅん……」
「髪飾りなんて、どっからそんなはなしが出たんだい?」
「え、えと……そ、そのぉ。神様からちょっと……」
「女神様からぁ?」
疑わしい。
そんな思いがあふれ出すような声色で、グラマは言う。
カヤも嘘をついているので、少し萎縮した様子だ。
「……髪飾りなんて、私物しかないよ」
「そ、その中の特殊な効果がある物が必要だって言われて……」
カヤは食い下がろうとする。
だが、その効果に関しては口に出すことができなかった。
ステータスを隠すなんて、確認しようとしているものたちの前で言えることではない。




