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悪役令嬢、話していないことが
カヤの求めた建物はやはりここだった。
だが、その姿は大きく変わってしまっている。
それでも、
「じゃ、じゃあ、髪飾りはありませんか!」
「髪飾り?」
「そうです!2つ!」
「2つ?」
グラマは首をかしげる。
だが、一瞬その瞳はエリーを向いた。
カヤが見逃す程度には一瞬であったが。
「髪飾りなんて薬局じゃ取り扱ってないよ」
「い、いや、その……か、髪飾りがここにあるんじゃないかと思ったんだけど」
カヤは困った表情を。
グラマは困惑した表情を。
お互い話していないことがあるため、話は進まない。




