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悪役令嬢、タイミングをもっと考えて欲しい
「そ、そんなこと無いですから!」
エリーが悲しそうにすると、アシルドは慌てた。
エリーは1度顔を上げてアシルドの顔を見て、また視線を下に落とす。
「分かった。分かったから。……お、お姉ちゃん」
ついに折れた。
その言葉を聞いた途端、エリーはアシルドに抱きついた。
「うわっ!?」
「ふふふ。可愛い弟が来て、楽しくなりそうですわぁ」
驚くアシルドのことを撫でながら、エリーは微笑む。
それを見守っていた家族たちも、笑顔を浮かべた。
《スキル『演技LV3』が『演技LV4』になりました》
スキルがレベルアップする。
エリーは外には出さなかったが、
ーータイミング悪すぎるでしょ!?すごくいい雰囲気だったのに!
と、心の中で抗議していた。
「それでは、エリーたちも席に着け。夕食を食べるぞ」




