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悪役令嬢、たとえ10倍強くとも

ギレのレーザー。

それが、突き進んでいく。


そして、


「……ふむ。盾にはなったか」


「ギィ!」


「悪くない成果かもしれんな」


「ギィギィィ!!」


悔しそうに地団駄を踏む(宙に浮いているため空気を踏んでいるだけ)ギレ。

彼のレーザーは、5秒ほどとある場所で止められていた。


それが、


「このナイフ、使えるな」


「ギィィィ……」


新しい武器であるナイフ。

それによって生み出された黒い靄が、ギレのレーザーを防いだのだ。


敵がギレの10倍強いと想定しても、靄だけで攻撃が来る時間を0.5秒遅らせることができる。

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