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悪役令嬢、お姉ちゃんと呼ばれたい
「ほら、アシルド。お姉ちゃんって、言ってご覧なさいな」
エリーはアシルドに促す。
当のアシルドは少し困ったような表情になる。
「えぇと。名高いエリーさんを呼び捨てにするなんて、とても」
そう言って、困ったような笑みを浮かべた。
エリーは少し首をかしげる。
ーー私が名高い?そんなに私の名が売れるはずはないのだけど。
加護を2つ持っていることなどで有名になっているのは知っているが、それ以外で有名になる要素はそこまでなかったはずだとエリーは思考する。
「そんな謙遜は必要ないですわ!なんと言ったって、私たちは家族なんですから!ほら!お・ね・え・ちゃ・ん!」
「うえぇ。で、でも」
エリーが圧をかける。
だが、それでもアシルドは抗おうとした。
「でも、何ですの?まさか、私のこと嫌いですの?」
エリーは悲しそうな顔をする。
すると、流石にアシルドは慌てた。




