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悪役令嬢、違和感を憶えて
砂漠の主。
とでもいうのだろうか。
砂の中を移動する大きな口を持った怪物。
「脅威に感じないのが悲しいところだ」
「ゴアアアァァァ!!!!???」
「ふんっ!」
悲鳴を上げるように叫ぶ怪物。
クレアの振る高さまで、あっさりとそのからだが欠損してしまったのだ。
敵の体はナイフから出る靄よりももろかったようである。
「これで終わりか」
「ゴアアアアァァァァ!!!!」
「味気ないな」
「ゴアアアアアァァァァァ!!!」
クレアは何度か鎌を振るう。
そして、違和感を憶えた。




