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悪役令嬢、力がぶつかるとき
黒い靄。
クレアはそれに目を向けて、鎌を握る。
そして、
「これが耐えられるか!」
振るった。
空間が裂け、亀裂が靄へと迫る。
靄と切断の力が重なるとき、
「…………ほぅ?」
クレアの頬が上がる。
仮面の奥には笑みが浮かんでいた。
なんと、
「耐えた、か」
耐えた。
靄が、耐えたのだ。
力と靄がぶつかり、激しいエネルギーの放出が行なわれる。
「「「「ガアアアァァァァ!!!????」」」」
アンデッド達にとっては、良い迷惑だった。
ほんのわずかな経験値がクレアへと入っていく。




