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悪役令嬢、全然知らなかった(棒読み)
誤字報告ありがとうございます。
「えぇ!?私に弟がいたんですの!?全く気がつかなかったですわぁ!」
エリーは驚いたように声を上げる。
その様子に父親は笑みを浮かべた。
エリーに隠せていたことが嬉しいのだ。
自分がエリーより上であるという証明になるから。
「ふふふっ。仲良くするのだぞ」
父親はどや顔で言う。
その顔を見たエリーは、子供らしく無垢な笑顔で、
「はい!」
と、答える。
その瞬間、
《スキル『演技LV2』が『演技LV3』になりました》
スキルがレベルアップした。
レベルアップ自体はあまり嫌ではなかったが、タイミングが少し微妙な気分にさせた。
ーー何か、私がアシルドと仲良くしたくないみたいな感じがするタイミングね。
エリーはタイミングの悪さに気分を曲げながらも、そんな気持ちは全く出さずに弟を見つめた。
「私、エリーですわ。よろしくお願いしますね。アシルド。……あっ!お姉ちゃんって呼んでくれて良いですわよ」




