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悪役令嬢、甚だ疑問
使用感を試すため。
クレアはナイフを手に持つ。
そして、
「ふっ!」
一線。
という表現が正しいのかは定かでないが、小さな刃が空気を切り裂いた。
そして、その軌道上に残る黒い靄。
「切った後にも何か効果がありそうだな……」
残った靄にも何かしらの能力がある。
クレアはそう考えた。
残った黒い靄に重ねるように何度かナイフを振り、
「手に馴染むな」
使いやすさを実感した。
流石はマリョクを大量に注いだ武器、といったところだ。
が、
「これに、鎌と同じほどの強さがあるのかは甚だ疑問ではあるが……」




