3370/3881
悪役令嬢、思うところがありそうな
『右腕』から話を聞く。
それによると、
「『右腕』より強いのか」
「そうよぉ~。下手したらクラウン様より強いわぁ~」
「それほどか」
「それほどよぉ~。……あぁ。でも、その冠があれば別かもしれないけど」
視線がクレアの冠に乗せられる。
冠がある場所は当然頭の上。
今クレアは、黒いローブに鳥の仮面、そして金色の王冠というなんとも不格好な見た目になっているのだ。
「この冠、悪魔に対して効果のある光を出せるのだったか?」
「そうよぉ。悪魔の能力の幾つかが使えなくなったりもするわ」
「それは便利だな」
「……便利だけど、それだけよ」
『右腕』の表情が一瞬変わる。
彼女はこの冠に、何か思うところがありそうな様子であった。




