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悪役令嬢、冠を被れば
掌にのる冠。
クレアはそれをじっと眺めていた。
そして、覚悟を決めたように頷き、
「冠なのであれば、こう使うものだな?」
自身の頭の上に置いた。
何が起こるか分からないが、ここまで来たのならもうこうするしかない。
引き返すことは無理だろうから。
「さぁ?どうなる?」
期待と不安と。
久しく感じてこなかった気持ちが、クレアの心を渦巻く。
そんなクレアの気持ちに応えるように、冠は、
「……ん?これは!?」
冠から、光が溢れる。
だが、それは始めに触れたときとは違う。
光は、部屋全体に広がり、
「これは、映像、なのか?」




