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悪役令嬢、もらっても困る

クレは手を伸ばす。

その先には冠が。


クレアの手と冠が触れ、


「っ!?」


光があふれ出した。

クレアは手で目の前を隠し、光から目を守る。


次第に光は収まっていき、


「な、なんだ?」


流石にクレアもこの状況では落ち着いていられない。

慌てそうになるのだが、


「ん?これは……」


クレアの掌。

その上に、小さな冠が乗っていた。


それは、先程触れた者と同じ形をしていて、


「これが、我の物となったのか?」


正直、もらっても困るというのが本音だ。

どういう物かも分からないし、迂闊に捨てることもできない。

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