3360/3881
悪役令嬢、もらっても困る
クレは手を伸ばす。
その先には冠が。
クレアの手と冠が触れ、
「っ!?」
光があふれ出した。
クレアは手で目の前を隠し、光から目を守る。
次第に光は収まっていき、
「な、なんだ?」
流石にクレアもこの状況では落ち着いていられない。
慌てそうになるのだが、
「ん?これは……」
クレアの掌。
その上に、小さな冠が乗っていた。
それは、先程触れた者と同じ形をしていて、
「これが、我の物となったのか?」
正直、もらっても困るというのが本音だ。
どういう物かも分からないし、迂闊に捨てることもできない。




