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悪役令嬢、明らかに格が
イモート王国の教会は、ここまでレベルは高くない。
いや、レベルが高いとか低いとかそういう次元ですらない。
明らかに、格が違う。
「闇に生きる者には、なんとも似つかわしくない場所だ」
クレアは苦笑交じりに呟く。
油断はしていない。
ただ雰囲気に飲まれ、どこからか攻撃されても気づけないのではないかという気持ちもあった。
「さて、この辺りか」
雰囲気に完全に飲み込まれない間に急ぐ。
クレアは、転移陣があると思われる場所へ来た。
そこには、
「神殿、というべきか?」
神殿。
その言葉に合う建物がそびえ立っていた。
真っ白で巨大な建造物が、クレアを見下ろすかのようにある。
「……この中に入る必要があるか」




