3332/3881
悪役令嬢、人が集まる場所に人は集まる
ファーストは上手くいった。
それは、領地経営が上手いからではない。
彼女が強い看板を持っていたからだ。
「市民達は、薬局という物に非常に好印象を持っている」
「そ、そうですね」
「だからこそ人が集まっているわけだ」
「な、なるほど?」
「薬局に感謝する者。薬局と縁を深めたい者。そう言ったものたちが集まってきて、それを知った商人達がまた集まってくる。そういう循環ができているんだ」
「な、なるほど」
人気が出る理由は、人気があるからだ。
というのは、ある意味心理である。
人が集まっているからこそ、人が集まるのだ。
「では、お前達にその最初の人の集める段階をクリアできるのか?」
「……無理かもしれません」




