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悪役令嬢、上手くいきすぎても
領地経営については、クレアと部下とで意見が分かれている。
部下達はイケルト考えているようだが、クレアはそうはうまくは行かないと予想している。
クレアに理由を示されてある程度は理解したが、
「無理でしょうか?」
「無理だな」
「実力がある物はファースト様についたとは言え、それで得られたデータなどはあると思うのですが」
「データがあるのとないのでは大違いだが、それだけでどうにもならないのは知っているだろう?」
ファーストの件は上手くいきすぎた。
その所為で、部下達が領地経営が楽な物だと勘違いしてしまっている。
ファーストに関しては、
「では、ファーストの領地が上手くいっているのはなぜだと思う?」
「え?そ、それは……」
「それは、ファーストが薬局の局長だったからだ」
決して、領地経営が上手いからではない。
彼女が、薬局という看板を持っていたからこそ上手くいったのだ。




