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悪役令嬢、不安要素をどうにかしたい
「これで、売却理由は納得頂けましたか?」
売却の理由を簡単に話し終わり、エリーは父親に納得できたか確認する。
父親は黙って頷いた。
「では、これから先のことをお話ししますね。まず、事業が売却されることを関連の貴族に伝えなければなりません」
「ああ。そうだな」
「一部がサッド家になるはずですし、一部やりづらいところも出てくるはずです。ということで、お詫びのようなモノをした方が良いかと思いまして」
「ほう。詫びか」
父親としても、他貴族への影響は考えていた。
最悪、現金を払って解決する必要があるかと思うほどだった。
だが父親は、エリーの言い方からお詫びが現金でないと推測した。
とは言っても、それが何かまでは読めない。
「何をお詫びにするのだね?」
父親は尋ねる。
エリーは、父親に商人を思い起こさせるような目で応えた。
「魔物船を、出張させますわ」




