3328/3881
悪役令嬢、苦労もしている
成り代わりは何かと大変だ。
人間関係。
そして、今まで成り代わる前に人間がやっていた仕事。
「専門職は本当に面倒だからな」
「ですね。私も1度したことがアリますが……」
「ああ。小物屋だったか?」
「はい。アレは初めて無理だと思いました」
遠い目をする部下。
職人の技術を真似るのは、どれだけレベルが高かろうと難しいことだ。
しかも、教えを請うことなく見よう見まねでやるのだから。
「仕方のないことだろう。それもまた経験だ」
「ですよね」
そう言って頷く部下。
色々と抱えている思いがあるようだ。
クラウンとて、苦労はしているもなのである。




