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悪役令嬢、痕跡は残さず
クレアは魔導人形を操作し、屋敷の中を調べていく。
隙間に入ってみれば毒針が仕掛けてあったりと、罠も豊富。
魔導人形であるため毒などは効かないが、
「トラップを発動はさせたくないからな」
「ですね。潜入がばれても困りますし」
「潜入して情報は探しつつ、痕跡は残さない、か」
「難易度が高いですね」
部下と共に苦笑する。
もちろん、クラウンのイメージには似合わないため、クレアは仮面の中だけでだが。
表面上には一切そんな雰囲気は出さない。
「罠に関しても、参考になる物があるな」
「おっ。本当ですか?」
「うむ。我らの拠点がムダに難易度が高くなっていくな」
ムダに。
というのも、クラウンは基本的に1人1人が強すぎるため、彼らが対処できない相手は罠でどうすることもできないのだ。




