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悪役令嬢、発見しても
クレアは、屋敷の周りを飛び回る。
通常の人間ではいけないところも、冬魔法や並外れな身体能力を駆使して進んでいく。
とりあえず、屋敷の全周囲の様子を外から観察した。
「幾つか押せそうなスイッチがあったが……」
屋敷の外側。
壁や天井の一部に、スイッチがあった。
それが何かを起動するスイッチなのか、それとも罠なのか。
「流石に分からない」
クレアといえど、そこまでは分からない。
内部の構造を把握し切れていないので、どうしようもないのだ。
クレアは少し悩んだ後、
「またアレを使うか」
ポケットからこういうときに役立つ物を取り出す。
城でも使った、
「魔導人形、研究を進めておいて良かったか」
魔導人形である。
勿論今回もネズミ型だ。




