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悪役令嬢、本物ではない
探していた装置。
それが、地下にあったもの。
……だと、判断されることはなく。
「この程度の装置ではな」
「せいぜい気休め程度の効果しかありません」
「目くらましでしょうね」
「完全に解析できな刈れば、これを本物だと判断することもあり得るかもしれません」
ダミー。
それが、クラウン内部での結論だった。
あまりにも効果が弱すぎるのである。
「ただ、術式としては参考になる物がありますね」
「はい。現在周囲の敵に害意を抱かせない装置を開発中です」
「完成すれば一層の能力向上が見込まれます」
本物でなくても、技術の方は本物。
ならば、それは奪えば良いだけのこと。




