悪役令嬢、パーティーへの参加を要求される
「それでは、契約成立と言うことで」
細かい調整が終わり、エリーは悔しそうに呟いた。
そんなエリーを、勝ち誇ったようにサッド公爵は見ている。
「くふふふ。………ん。そうだ」
勝利のうれしさで笑い声をこぼしていたが、そこであることを思いついた。
サッド公爵は試すような目でエリーを見ながら提案する。
「エリー嬢よ。今度我が領地でパーティーを開くのだが、そこで事業の買収について宣言したいのだよ。君も来てくれないかね?」
エリーは、行く、と即答しそうになった。
だが、喉まででかけたその言葉を押し込む。
ーーそういえば、サッド家って、毒龍とつながってたわよね。しかも、その毒龍は、というか、この人たちは私の暗殺を企んでいたはず。つまり、
エリーが考えていると、サッド公爵はどう勘違いしたのか、さらにエリーの不安を後押しをしてきた。
「もちろん、私が買いとった事業の旅行用の船に乗って貰うのだよ。君の頃よりもさらに発展した船に乗せてあげよう」
ーー海上って、この世界じゃ助けの来ない絶好の襲撃場所じゃない!?嫌よ!絶対に行きたくないわ!
とは思ったのだが、今までの話から断る要素は1つもなかったので。
「……わ、分かりましたわ」
泣く泣く了承することしかできなかった。




