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悪役令嬢、台座と水晶と
迷路を進む人形。
いや、ネズミ形。
数時間かけて走り回り、
「んっ。やっとか」
目当ての物らしき何かを見つける。
操っていたクレアは口角を上げ、ネズミをそれに近寄らせる。
そこにあるのは、台座。
そしてその上に、
「水晶玉、か」
半透明の水晶玉。
そこには何かかが映し出されているようにも見える。
クレアはとりあえず写真のようにその光景を紙に写し取り、
「これで報告する成果としては十分かもしれないな」
何かを映し出す水晶。
そして、意味ありげに何かが書き連ねられている台座。
それを見つけただけでも十分な成果かもしれない。




