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悪役令嬢、廊下に出ても
何の危険もなく罠部屋を移動し。
そのまま扉を開ければ廊下に出る。
が、
「廊下に出てもな……」
廊下に出ても、結局は見回りの多い場所を移動していくことになる。
できればそれは辞めておきたい。
となると、
「まずは情報収集からか」
クレアは扉に近づく。
そして、念入りに罠の有無を確かめた後にそっと扉に耳を近づけた。
「……だろ?」
「だなぁ。最近警備が厳重だし」
「まあ、そのぶん給料が上がるから良いんだけどさ」
聞こえてくるのは、この部屋の前にいる見張りの兵士。
この城、驚くべき事にと言うほどでもないのかもしれないが、各部屋事に扉の前に見張りがいるのだ。
だからこそ。できれば廊下の移動をしたくないのだが。




