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悪役令嬢、会社売却を話し始める
会談相手がやってきた。
エリーは、王都にあるサッド家の屋敷にやってきていた。
「はじめまして。サッド公爵様。私、エリー・ガノル・ハアピでございます」
「ふっ。挨拶くらいはできるのか」
エリーは頭を下げて挨拶をする。
だが、相手はそれを鼻で笑うだけだった。
エリーの相手は、サッド家公爵。
父親と同格の存在であり、残念ながらエリーとは比べものにならない地位にいる。
「私としては、君から船についての権利を1部買い取りたいのだが」
「100兆で、ですか」
エリーはそう言って、サッド公爵の瞳を見つめた。
公爵はニヤリと笑う。
「その通りだとも。もちろん、売ってくれるよなぁ?」
公爵の笑みは嫌らしいモノとなった。
エリーが断れないと思ってのことのようだ。
「条件付きでなら、売りましょう」
「ほう。条件とな」




