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悪役令嬢、アングリ公爵でも
小さなダンスホール。
そこで、エリーは踊る。
このホールには今2人しかおらず、
「エリー。僕が公爵になれたのは、君のお陰と言っても良いと思う」
「あら。言い過ぎでは?」
「そんなことないよ。僕を家の呪縛から解放して、本当に友達だと思える相手を作れたのは、君のお陰だ」
「そうですの?助けになれたのなら何よりですわ」
クレアは笑う。
だが、パートナーとしてろドルクイフは、真面目な表情をしていた。
普段の気の弱そうな表情を消し、本心をさらけ出そうとしている。
「エリー。君のことが好きだ。僕をもっと、自由にして欲しい。だから、婚約してくれない?」
「お気持ちは大変嬉しいですわ」
「……で?」
真剣な表情で見つめられる。
それでも、
「お断わりさせて頂きますわ」




