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悪役令嬢、次期アフレイ公爵でも
静かな部屋。
本棚がいくつもあり、そこにはぎっしりと小難しそうな本が並べられている。
「エリー。君には、本当の賢さというものを教えられた」
「あら?そうですの?」
「ああ。賢さなんて言うのは、紙切れでは測れない」
「ふふっ。学校を全否定ですわね」
ほとんどの学校が、賢さというものは紙切れで測ろうとする。
だが、次期公爵とされるガリドルは、それではいけないと感じていた。
彼は知ったのである。
本当に賢い人間という存在を。
それは勿論、エリーだ、
「君の賢さがあったからこそ、クイフも、俺たちも救われた。エリー、俺は君のことが好きだ。婚約してくれ」
「お気持ちは大変嬉しいですわ」
「……では?」
「お断わりさせて頂きます」




