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悪役令嬢、次期グラド公爵でも
ひたすらフラれ続ける……悲しい
ラフな格好をしたエリー。
その手には、木刀が握られている。
そして、
「エリー!俺は、その強さに惹かれた!」
「ありがとうございますわ!」
「強さとは、筋力や剣術だけではなく、心の強さもあると教えてくれた!」
「一助になったのなら、何よりですわ!」
エリーに向かい剣を振るターリル。
次期公爵とされる彼だが、その剣は昔に比べても磨きが掛かっている。
「その強さがあったからこそ、クイフが、そして、俺たちが救われた!俺はその強いお前が好きだ!エリー!婚約しよう!」
「お気持ちは大変嬉しいですわ!」
「それは良かった!」
本当に嬉しそうに言うターリル。
だが、次の瞬間彼の手から剣は離れ、喉元にエリーの木刀が突きつけられる。
「ですが、お断わりさせて頂きます」




