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悪役令嬢、告白を
「エリー。僕はソンナ君が好きだ。僕と、婚約してくれないか?」
アロークスの心からの言葉。
今まで口にしてこなかったが、今日やっと思いを打ち明けた。
返事を待つため、アロークスはエリーの目を見る。
「…………」
「…………」
2人は見つめ合い、暫く沈黙が流れる。
笑みを浮かべていたエリーも、今ばかりは真剣な顔をしていた。
エリーは言葉を選びながら口を開き、
「友人たるあなたにそう言われて、とても嬉しいですわ」
「そ、そうか。なら、」
「ですが!……ですが、エリー・ガノル・ハアピの婚約は、その目的のためにはありませんの」
「っ!」
アロークスは悔しげな顔をして下を向く。
だが、エリーはそこで言葉を止めない。
真正面から、彼の気持ちに応えるため。




