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悪役令嬢、過去の振り返りと
真剣ナマナ差しで見つめられる。
アロークスの口から紡がれる言葉は、
「最初は、君のことが嫌いだった」
「知ってますわ」
「沢山ひどい事をしたけど、君は気にした様子もなかった」
「当然ですわ。子供のすることですもの」
アロークスは過去を振り返る。
エリーはそれを聞きながら薄く笑っていた。
「僕が攫われたとき、助け出された後に僕の頭を撫でてくれたね」
「ふふっ。素直になってかわいかったですわよ」
「最近はどんどん綺麗になっていて、君の魅力は増し続けている」
「ふふっ。努力していますもの」
エリーは笑う。
が、アロークスは笑みを浮かべることなく、
「エリー。僕はソンナ君が好きだ。僕と、婚約してくれないか?」




