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悪役令嬢、呼び出しを
友人の誰も婚約者には選ばれなかった。
それでも、
「クレア」
「あら。アロークス様。いかが致しました?」
「エリーを……呼んできて貰えるかな?」
「……分かりました。おそらく数日後にいらっしゃるかと」
「分かった」
アロークスの真面目な表情から、内容を察する。
クレアは少し乾いた笑みを浮かべながらも頷いた。
「ん?アロークス様、何の用だろう?」
「さぁ?クレアは分かるッスか?」
「……分からないわけではないわ」
クレアはなんとなく察している。
いや、明確に、と言った方が良いだろう。
「……エリー様の婚約関連でしょうね」




