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悪役令嬢、勝利と対価と
カヤも、国や家に働きかけることは考えた。
それとクレアの考えとの違いは、
「エリー様に勝つというなら、相応の対価は必要よ」
「対価、ですか」
「ええ。私もカヤの手札を知らないからなんとも言えないけど、これをする代わりに国やハアピ家にははこうして欲しい、みたいな要求をしてみるのも1つの手だとは思うわ。その要求でエリー様の立場を弱められることを言えば良いのよ」
「な、なるほど」
カヤは考え始めた。
言われたことを、真剣に。
「国がハアピ家が強く欲しているものをカヤが持っているなら、盤石なエリー様の地盤を崩せると思うわ」
「そ、そうですか」
「で?どう?何か思いついた?」
クレアは尋ねてみる。
だが、答えは分かっていた。
カヤの目には、力強い光がともっていた。




