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悪役令嬢、対価にみせる

「それじゃあ、対価のお話をしましょうか」


エリーはそう言って、腕を組む。

イルデは笑みを浮かべて頷いた。


エリーは、イルデの話を聞きながら渡す情報を考えていた。

そして、出た結論が、


 ーー私の情報じゃなくて、他の人から聞いた情報を渡せば良いわよね。

というモノであった。


「実は、王族方の教育係も消えたらしいんですの」


「……へぇ」


2人はほほ笑み合う。

お互いの視線がぶつかった。


イルデは、その情報の価値を素速く読み取ろうとしている。

エリーは、その情報がいかに重大な情報であるか見せかけることに集中している。


エリーとしては、その情報にあまり価値を考えていなかった。

だが、その情報と、エリーによって育てられ、イルデの子供とは思えないまでに成長した思考力が、見事にマッチし、


「ということは、僕の日記は、洗脳の経過観察記録として使えるってこと!?」

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