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悪役令嬢、教会の消失を探る
「幹部の数名が突然消えた。1番大きな出来事はコレかな」
イルデが真剣な表情で話す。
エリーは予想できたことだったので、特に反応はみせない。
「ただ、それと同時に教会の資料が大量に盗まれたんだ」
「資料が?」
エリーは思考を巡らせる。
何の資料が盗まれたのかは分からないが、それが火傷蜥蜴に関係している可能性は高い。
「そうなんだよねぇ。その資料は、」
「その資料は?」
2人は真剣な表情で見つめ合う。
だが、次のイルデの言葉でその雰囲気は一瞬にして崩壊した。
「僕の、日記なんだよね」
「………は?」
エリーは愕然とした。
まさか、火傷蜥蜴がそんなくだらないモノを盗むとは思わなかったのである。
ーー何?日記帳にマズいことでも書いてあったの?




