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悪役令嬢、父親から対価の情報を引き出す
「まあ、報告するのは良いのですが、できればお父様の知っている情報をある程度教えて頂けると助かりますわ」
エリーはそう言って微笑む。
こちらのお願いも、かなり断りにくい。
情報が欲しいと言っているので、どういう関連の情報が欲しいのかを詳しく教える必要があるからだ。
エリーとしても、父親が何をどの程度知っているのか知りたかったので、尋ねてみることにした。
「まあ、それが道理か。いいだろう。私の知っていることを問題ない範囲で教えてやる」
父親はそう言って、エリーに教えて問題ない範囲の情報を与える。
エリーの知っていることがほとんどだったが。
「それで、この商会にも影響が出ていてな」
「ほう!つまり、今なら買収の可能性があるということですね!」
結果の方は知らないことが多かった。
打撃を受けた商会などの情報を知り、エリーは目を輝かせる。
父親の話が終わると、エリーは立ち上がった。
「なるほど。では、私も色々探ってみますね」
エリーはそう言って、部屋から出て行く。
その頭の中は、
ーーあの商会、今なら買収できるんじゃないかしら?




