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悪役令嬢、教える係になりそう
「なあ、エリー。今度から、お茶会の時間を長くしても良いか?」
ロメルが真剣な表情でいってくる。
エリーは断る理由もなかったので、頷く。
「エリーに、勉強を教えて貰いたいんだ」
「勉強を?」
ロメルのさらなるお願いに、エリーは表情を変える。
表情が少し考え込むようなものになったので、ロメルは少し不安な様子。
ーーそれは、王や貴族が許してくれるかしら?私の家が好きなように洗脳できる状況になってしまうわけだし。
エリーはそう考え、さらに表情を険しくさせる。
エリーの考え込む表情を初めて見た王族たちは、顔を見合わせる。
エリーが何に悩んでいるのか分かっていないのだ。
しばらくして方針が決まり、エリーは顔を上げる。
「とりあえず、それは王に相談して頂けると助かりますわ。私が教育係になってしまえば、私の家の影響力が大きくなりすぎます」
エリーの言葉に、王族たちは表情を変える。
何がマズかったのか気づいたのだ。




