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悪役令嬢、母親と庭
「エリー。今日は私とお散歩しましょう」
母親がエリーにそう言って、手を伸ばす。
エリーは満面の笑顔で手を握り、
「どこに行くの?」
かわいらしく首をかしげながら尋ねた。
すると、母親はエリーの部屋の扉を開け、黙って手を引いた。
エリーはよく分からないが、特に抵抗もせずついて行く。
2人はバリアルの部屋を通り過ぎ、その先にある両親の部屋も通り過ぎ、
ギィィィ!!
母親は突き当たりにある大きな扉を押した。
「うわぁぁぁ!!!」
柔らかい風が2人を包む。
2人の前には、色とりどりの花が植えられた花壇があった。
「ここは、お屋敷のお庭よ」
母親はエリーに優しく伝える。
ただ、エリーとしては内心、とてもビビっている。
ーー確か、ここ。夜にうめき声が聞こえる所だった気がするんだけど!?




