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悪役令嬢、今なら婚約者が
結婚相手を選ぶことは難しい。
それが相当ショックだったようで、
「今ならできるなら、今作りたいでしゅ!!」
「……訊いても意味はないでしょうけど、誰が良いとかありますの?」
「……特に。私、ほとんど貴族と会わないし」
「ですわよねぇ~。この年齢で婚約者を決めるのはなかなか難しいものがあるのですが……」
エリーは思い出す。
このくらいで婚約者がきまった、ゲームのエリーのことを。
ーーあれは婚約が早すぎて、自身の気持ちが少しも入らなかったからこそアロークスは反発したんだと思うのよねぇ。
となると、
「自分の意見を挟める年齢……えも、それって年上になりますわよね」
「年上!?私、年上は大歓迎でしゅ!!」
エリーの呟きに、クラウディアが激しく食いつく。
どうやら、
「……年上好きですの?」




