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悪役令嬢、黒幕の1人が
帝国の役人の減少が加速する。
そんな中、それとはあまり関わりのないイモート王国の方で、
「作戦は上手くいっています」
「ふむ。大きな被害までは出ていないな?」
「はい。役人を倒す程度で収まっています」
「そうか。なら良い」
黒幕の1人が報告を受けていた。
クレアがクラウンに指示して、役人に暮らしの悪化の原因があると考えるように誘導させたのだ。
「愚かなものだな。市民というのは」
「ですね。情報の大切さというものを見にしみて感じました」
「……役人を倒せば国の運営が立ち行かなくなり、更に暮らし向きは悪くなる一方だというのに」
「……帝国が滅びないことを祈るばかりです」
正しい情報を持たない市民は愚か。
クレアの考えは、そんなことを思うほど冷め切っていた。
「次の手はどうするか……」




