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悪役令嬢、魔法が使えるじゃん
クレアはデュランスを担ぐ。
そして、試合会場から少し離れた。
「ありがとう」
「動かせるようになっていますか?」
「うん。問題無いよぉ」
デュランスは手を開いたり握ったり。
立ったりしゃがんだり。
体の感触を確かめている。
「……と言うかクレア、そんなに動けるんだったら勝てたんじゃない?」
「ああ。観客はそう考えてもおかしくないですね」
「ん?そう言うってことは、無理ってこと?」
「ええ。そうです」
クレアは頷く。
なぜなら、
「そちらだって首から下は動かせませんが、魔法が使えるじゃないですか」




