300/3881
悪役令嬢、知り合いか友達か
「あぁ~。どうだったかな」
「どうでしたっけ?」
イルデもエリーも、腕を組んで悩む。
その表情はどこか険しい。
そんな2人が悩んでいる内容は、
「お2人とも、友達になった記憶がないんですのね」
「……友達じゃないなら、どういう関係なんだよ」
そういう王族たちの語句からは、あきれた様子が感じられる。
気まずくなって、2人は苦笑を浮かべた。
「まあ、どちらでもいいですわ。それなら、今、友達になればいいだけ」
そういって、エリーは片手を差し出す。
差し出されたイルデは首をかしげたが、すぐに笑顔を浮かべて、その手を握った。
「これからよろしく」
「ええ。お願いしますわ」
辺りは温かい雰囲気に包まれる。
全員が、自然と笑みを浮かべる、温かい空間がそこにはあった。




