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悪役令嬢、生まれる
ーーあれ?私、何してたんだっけ?
明日花は意識を覚醒させた。
だが、目を開けようとしても少ししか開かず、目の前を上手く見ることができない。
「フフフッ。可愛い顔をしているわね」
明日花の頭を誰かが撫でる。
明日花はピクッと反応した。
「あら?起きちゃったのかしら?おはよう。エリー」
明日花に上から誰かが声を掛けた。
明日花は知らない声に驚いたが、それ以上に、
ーーエリーって、あのエリー!?
エリーという名前に驚いた。
その名前は、異世界ホストの悪役の名前。
明日花の唯一好きなキャラクターの名前だった。
ーーエリーねぇ。どんな子なのかしら?きっと良い娘だとは思うんだけど。
「フフフッ。きっと素晴らしい子に育つはずよ」
そんな声が聞こえて、また明日花は撫でられた。
ーーあ、あれ?エリーに話かけているときと、私への行動が同じ気が、、