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悪役令嬢、友達の友達は
「はははっ。イルデ。いいなそれ」
「そうだよねぇ。ロメル様もそう思うかぁ」
お茶会という名の王族たちの会談が始まってから約20分後。
イルデは、ある程度王族たちと打ち解けていた。
ー-私が教えた人心掌握術もしっかり使えてるわね。
エリーはその様子を見ながら、イルデに教えたことを思い出す。
「まだ何とも言えないけど、推薦の件は検討してみるよ」
「おお。ありがとう。アロークス様」
イルデは、今回の目標の1つである王族からの教皇への推薦を、ある程度取り付けていた。
ただ、まだ決まったわけではないので、これからの努力が必要になるというのは予想できた。
しかし、まだイルデは、王族たちを呼び捨てにすることは許されていない。
敬語は不要ということになったが、呼び捨てにできるほどまでは仲が深まらなかったということだ。
「そういえば、エリーとイルデは、お友達になってからどれくらい経つんですの?」
リファータが話題を変えて突然質問してきた。
エリーは予想外の質問に驚いたものの、すぐに考えたが、
「あれ?そう言えば私たち、お友達になったんでしたかしら?」




