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悪役令嬢、教会での悪だくみを
「まあ、これで本題は解決ですわ。少し時間もありますし、あのお話をいたしましょうか」
「ああ。あの話ね」
イルデの顔が真剣なものになる。
ただ、エリーの方は微笑みを浮かべたまま。
ー-表情では読まれやすいかもしれないわね。次はその辺の技術も教えてあげましょう。
エリーは次回あったときにポーカーフェイスの技術を教えようと決めて、話を始める。
「どうですの?薬局による教会の権威の低下は?」
「順調だね。ただ、順調すぎる気がする」
イルデは難しい表情をする。
エリーは事情を聴いてみることにした。
「どういうことですの?何か、引っ掛かるところがありますの?」
「実は、教会の一部も対応しようとして、暗殺部隊を作ったらしいんだけど」
「だけど?」
「全滅したんだ」
エリーはそれを聞いて黙り込む。
単に、教会側の暗殺者が全滅したことに驚いたわけではない。
ー-当り前よねぇ。薬局って、クラウンのメンバーが結構いるみたいだし。
エリーは、暗殺者に対処するクラウンのメンバーを想像して、懐かしさを覚えたのだ。




