295/3881
悪役令嬢、くぎを刺しておく
誤字報告ありがとうございます。
「…へぇ~。なるほどねぇ」
イルデが納得したような表情になる。
そんなイルデの表情を、エリーはお茶をすすりながら観察する。
現在は、2人の話し合い中。
エリーが事情を説明したところである。
「あまり大胆なことはなさらないでいただきたいですわ」
「まあ、僕としても市民の争いが起きることは望まないからね。従うとするよ」
イルデは、エリーのお願いをあっさりと受け入れた。
これは、エリーの努力の成果である。
エリーは、イルデと話し合う中で、教会をつぶすことの危険性を示してきた。
それも、イルデの怒りをそいでいくような形で。
できるだけ教会への危機感は持たせつつ、危険な思想は持たせないようにする。
そんなエリーの努力によって、
「でも、僕が次期教皇になることの支援を要請するのは良いよな?」
イルデは、教会をつぶすのではなく、自分で統制をとろうという考えに変わった。
ただ、
ー-私のつながりも容赦なく使うとか、思想がかなり変化したわね。いろいろ教えすぎたかしら?私も利用されるなんて。




