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悪役令嬢、飲食業にも船を売りたい
「あっ!あれもおいしそう!!」
第3王子のエイダーがうれしそうに声を上げる。
その手には、たくさんの食べ物が。
「エイダー。買いすぎ。もう少し抑えるべき」
「えぇ~。お姉ちゃんだって同じくらいとってるのに!」
「うぐっ!」
たしなめた第1王女のタキアーナが、エイダーからの1撃を受けて呻く。
その手には、エイダーと同じくたくさんの食べ物が。
「エリー。これも、収入の1部になるのか?」
第1王子のロメルが、自分の手にある食べ物を見ながら尋ねてくる。
エリーはうなずいた。
「このあたりの海上での出店は使用料をとってますわ。さらに、船の貸し出しも行っておりますから、それでもお金がとられています。まあ、売り上げによってこちらへの金を変えたりはしていませんけど。あと、船の販売を行っていますから、そこそこの収入を得た店は借りずに購入をするはずですわ」
「なるほどねぇ。使用料は取られるけど、この辺じゃないと集客はできない、と」
話を聞いていた第2皇子のアロークスが納得した表情で会話に入ってきた。
そのアロークスもロメルも、その瞳はあこがれの存在を見ている様だった。




