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悪役令嬢、アピールを欠かさない
「本当に大丈夫?」
壁にぶつかるオーガを見て、王族たちは心配そうにしている。
エリーは落ち着かせるようなセリフを口にする。
「あれは、頑丈だから大丈夫ですわ.1日に1度は点検を行っておりますし、下は海ですから、もし壊れてしまったとしても、海で溺れるだけですわ」
そう言うと、少しだけ安心したような顔を見せた。
それから、感心したように感想を述べる。
「あんなにぶつかってるのに、船の揺れは少ない」
「あれに耐えられる壁って、いったい何を使ってるんだ?」
「いやぁ。オーガなんて初めて見たよ。こんなことは思いつかなかったなぁ」
感想を聞き、エリーは笑みを深めた。
そして、アピールを始める。
「ふふふっ!あのオーガを入れている船の壁と同じ材質が、それぞれの船に使われているんですわ!もちろんこの船もそうです!頑丈な素材で!巨大な魚にぶつかったとしても壊れることはないですわ!」
「えっ!?この船にも使われてるの!?」
「あんなに硬いモノを量産できるのか。すごいな」




