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悪役令嬢、観光案内をする
「まずはこちら!」
エリーはそう言って、手を大きく広げる。
そこにあるモノは、
「観光用の船ですわ!さぁ。お乗りになって!」
また船である。
だが、王族たちは嫌な顔もせず船に乗った。
そこには、エリーなら面白いことをしてくれるという信頼関係があった。
訳ではない。
ただ、目の前に面白そうなモノがあったから。
「凄い!船が沢山浮いている!」
「これが、ガリタッドの海上娯楽施設」
王族たちは感心したようにうなずいている。
そんな王族たちに船に乗るよう促し、エリーは船を出すように指示した。
ブオォォ。
汽笛を上げ、ゆっくりと船が動き出す。
「どこに行きたいですか?」




